まだ遅くはないかな?

宴会場に現れたクァンヒョンが生きていることにインジュとチニョンは、止めどもなく涙を流す。一方、ミョンファンは生きているだけでなく、皇妃の命まで救った人物がクァンヒョンということに慌てて言葉を失う。
皇妃の病気を治した医員が首医のミョンファンでなくクァンヒョンだったという事実を知った顯宗はクァンヒョンの処分について悩む。清の使臣は清国皇帝の勅書を渡して「ペク医員が罪を犯して朝鮮を追われた理由は聞いていますが、ペク医員がいなかったら、皇妃様をはじめ清国の多くの民が生き残ることができなかったでしょう。すべてのことは王様の意志で遂に許さぬとしてもペク医員はすべてのことに耐えるでしょう。ペク医員の真っ直ぐな心を察して貴重な医員を失わないでください」とクァンヒョンの赦免を求めた。
清の使臣のおかげでクァンヒョンの功績を知った顯宗は、過去に大事なコ・ジュマンを死に追いやった張本人であるクァンヒョンの処分を容易に決定することができず悩みに陥った。そしてクァンヒョンを呼び入れて、死を押し切って朝鮮に戻ってきた本当の理由を尋ねた。クァンヒョンは「過去に私の力不足で師匠であるコ・ジュマン大監を失いました。その罪は絶対拭うことができないことです」と言いながら「しかし師匠は私に最後のお願いを残されました。治腫庁{チジョンチョン}を守れということでした。私に外科術が間違ったものではなく多くの民の命を救うことができるということを世の中に知らせてほしいと頼まれました。私の手で師匠を死なせましたが、あの方の意志だけは消すことができませんでした。それが私が粗末な命を延命してきた理由です」と述べた。クァンヒョンの話を聞いた顯宗は「余が随分前に忘れていた理想をそなたは忘れずに覚えていたのだな」と言いながらクァンヒョンのすべての罪を赦免し従七品直長{チクチャン}の官職を下賜し恵民署{ヘミンソ}の医官に命じた...

知らせを聞いた王女は大きく喜んだがクァンヒョンを探さなかった。逆にクァンヒョンを探し回るチニョンを探して「ペク医生が宮殿を出たという。きっとそなたを探している。早く行ってみるとよい」と伝えた。これを見守ったカク尚宮は「王女様、本当に大丈夫なのですか。一番最初に走って行きたいのは王女様ではないのですか」と心配した。しかし王女は微笑を浮かべて「以前ならばそうしただろう。だが、もう私はペク医生の情人でなく友と思うことにした。もう私もだだっ子ではない」としてクァンヒョンに対する愛をたたんだ内心を表わした。

チニョンはクァンヒョンが宮殿を出たと王女から聞いてクァンヒョンを捜し回って広通橋{クァントンギョ}に達した。同じ頃チニョンを探していたクァンヒョンもやはり広通橋に向かっていた。仄かに照らす物寂しい月の光の下で切なく再会をした二人は、お互いから目を離すことができなかった。クァンヒョンは「まだ遅くはないかな?俺のことは完全に忘れたかと思って...」としてその間気をもんだことを表わしたが、これに対しチニョンは「いや、私は忘れなかった。前にも帰ってきたから。再び私を訪ねてくると信じてた」としてクァンヒョンに対する深い信頼感を表わした。これに対し有り難みを隠すことができなくてチニョンの手をそっと握ったクァンヒョン。チニョンはこんなに待っていたクァンヒョンとの再会に涙を止められなかった。クァンヒョンもやはりそんなチニョンの涙を拭いてチニョンを抱きしめては感情がこみ上げて涙を流した。

クァンヒョンが官職を与えられたとソクチョルから聞いたミョンファンは呆然とする。またチョンドゥが清国の兵士を襲撃した罪で罷免されたことを知り愕然としているところにクァンヒョンが直接ミョンファンの執務室へ赴いた。クァンヒョンを亡き者にしようと思ったミョンファンはクァンヒョンに「勘違いするな。お前如きのような奴のために崩れる私でない。お前、私は絶対お前のような奴を放っておかないだろう!」と興奮してこのまま崩れはしないことで脅した。これに対しクァンヒョンは「私の父と私の師匠を死に追い詰めたことでも充分です。私はもうあなたの手に崩れないと思います。今度は私があなたの手からすべてを奪うことで、あなたの手に奪われたものすべてを元に戻すでしょう。その為に帰ってきました」と堂々と話して反撃を予告した。

クァンヒョンはミョンファンの執務室から出てきたところでソンハと会い、助けて有難くて、生き返ってきて有難いという挨拶を受けることになった。しかしチニョンに対する心が深いソンハはクァンヒョンのことを喜べなかった。ソンハはクァンヒョンに「私を助けたことは有難いがチニョンとお前がまた会うのは絶対にならない。お前が再びチニョンに近づけば、結局二人の過去が明らかになってはいけない」とし、チニョンとクァンヒョンの身分が変わったことをチニョンが知ってはならぬと説得する。これに対しクァンヒョンは「そんなことはないでしょう。私はそんな身分など取り戻すつもりはありません。そんな心配はする必要がありません。これからは医女様は私が守ります」と答えてソンハとの摩擦を予告した。

王女はクァンヒョンに向けた片思いの代わりにクァンヒョンの友になることを決心したものの、クァンヒョンを思い出すとまだ頬を赤く染める。王女はクァンヒョンに与える医官の衣服を選んだ後、チニョンを呼んでこれを代わりに渡すよう頼んだが、チニョンは「直接渡して下さい。ペク医生も王女様にお目にかかりたがってますから」と微笑を浮かべた。これに対し王女は目一杯恥ずかしがったままクァンヒョンに直接衣服を渡し、クァンヒョンは本当に感謝の気持ちを表わした。
そしてその後王女がくれた衣服を持って帰ってきたクァンヒョンはチニョンと会って訳もなく衣服袋を隠しそわそわするが、これに対しチニョンは「王女様とお会いした?何を隠してるの?もう全部知ってるわ」と笑った。まもなく皮肉な表情になったまま「あ~さっさとそうするのね。王女様に思われてたから...」とクァンヒョンをからかうチニョン。これに対し袋をわざわざ懐で大切そうに抱きしめたクァンヒョンは「それを知りながら堂々と俺を送ったのか?嫉妬しないのか?何の女がこうしますか?」と不満を隠すことができなかった。しかし、チニョンはそんなクァンヒョンの愚痴に笑いを帯びたまま「王女様と私は長い友の間です。どんなこんなものを持って嫉妬をしている!」と軽く咎め、これに対しクァンヒョンは「本当に...」と言いながら怒ったそぶりを解けない笑いをかもし出した。

チニョンは医官となったクァンヒョンに「いつまで医女様と呼ぶの?私の本当の名前はチニョン。"チニョン"と呼んで」と提案をした。これに対しためらったクァンヒョンは初めて"チニョン"と呼び、チニョンはパッと笑って「それではこれはご褒美」と言うと同時にクァンヒョンの頬に口づけをした。びっくりしたクァンヒョンは「からかってるの?これは何か幼い子供じゃあるまいし」と話して恥じて背を向けるチニョンを突然引き寄せて口を合わせた。

クァンヒョンは師匠コ・ジュマンの意志を継ぎ、貧しい民のために治腫庁を再建し患者を世話のに全力を尽くした。だが急性敗血症と破傷風などが来る患者等を見て外科術の限界にぶつかってしまったクァンヒョン。クァンヒョンは悪性でき物患者の病状が悪化するとすぐに憂いを隠せなかったので、これに対し師匠舎巖{サアム}道人は「このような時『治腫指南{チジョンジナム}』を見ることができるならばどれくらい良いか」として遺憾を隠すことができなかった。イム・オングク(任彦國)が書いた外科医書である「治腫指南」には外科術に関するすべての専門的な知識が入っているということ。だが、舎巖道人は「治腫指南」が倭乱の時に全部消失したと嘆き「その医書があれば...」という言葉で切実な願いを表わした。

ところが暫くして道を歩いていたチニョンが編み笠を深々とかぶった謎の男性とぶつかる。チニョンと謎の男性は持っていたものを落としてしまったが、チニョンは謎の男性の物らしき医療器具に「医員かしら?」とつぶやいた。謎の男は舎巖道人が探していた「治腫指南」を持ち出し外科術に必要な医療器具をいっぱい並べた。そして外科術のために手を洗った後横になっている病人の胸からへそまでを切開した。クァンヒョンは「治腫指南を見られれば良いのに。治腫指南を見た医員はいないのだろうか」とつぶやく...

放送日
○韓国MBCでの放送:2013/2/5
○衛生劇場での初回放送:2013/5/9
○NHK-プレミアムでの放送:2014/3/30

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