"I thought Christmas only came once a year. "というセリフの猥褻さは未だ正しく紹介されていないのではないか。 『ワールド・イズ・ノット・イナフ』を頑張って108分も放送してくれたBSジャパンに感謝です。もう21世紀に入ったらボンド映画名物のメイン・タイトルが地上波放映では真っ先に削られるようになってしまった。『セブン』や『ミッション:インポッシブル』も頭とシッポを切ってしまったら,醍醐味半減という気分になります。 佐々木優子さんは"ER"では死んじゃう役のイメージが強く,安藤みどりサンは"ER"サム役で,佐藤あかりサンも"ER"では美味しい役だったのを思い出す。ヘナヘナ感はちょっと気になりましたけれどね?。 佐藤しのぶサンはオペラ歌手でなくても美声で,毒のある台詞もサラっと言えるのはところはいかにもマネーペニー。平田勝茂さんの訳なので切れ味抜群だけれど,皮肉がこもった台詞が多いのだからもっとグサーッとやって欲しかった。額田やえ子さんは誰が演じるか考えて台詞を考えていたそうだし。演者の声の性質まで考えて翻訳出来れば素晴らしい。台本が複数版使い回し当然になった昨今このような台詞の個性も薄められている。 HD化で際立って見えたのはMの碧眼。『慰めの報酬』にはボンドがMについて「あっちは私の母親のつもりさ」という台詞もあったけれど,やはり瞳がブルーのダニエル・クレイグが言うから本当の母子にも見える。BSプレミアムの『慰めの報酬』では主題歌に訳詞が付いて欲しかったです。