文定王妃中宗{チュンジョン}の3番目の王妃、明宗{ミョンジョン}の母

野心と貪欲に満ちて策略に長けた悪女。
仁宗{インジョン}を毒殺して、自分の息子を明宗に擁立する。
ユン・ウォニョンを前面に出して大尹{テユン}一派(ユン・イム*1勢力)を除去するために乙巳士禍{ウルササファ}を起こし無限貪欲で当代あらゆる権力を振るった女丈夫。
明宗が即位した後、8年間垂簾聴政をして摂政が終わっても数えきれない程越権行為をして息子明宗を困らせる。(1501~1565年)

王宮に入る前にパク・テスと縁談があって慕っていたため、彼が逆賊として捕らえられた際も斬首せよと命じることができなかった(そのためパク・テスは典獄署{チョノクソ}*2の地下監房に長年入れられることになる)。
明の使臣のオ・チャンヒョンが先王仁宗{インジョン}の毒殺疑惑を解明するための密書を持ち帰ることを知り、パク・テスに暗殺するよう直に願い出て典獄署から釈放させる。

ウォニョンからオ・チャンヒョン暗殺の成功とパク・テスが殺された旨の報告を受けたが、ウォニョンがその詳細を報告しないのでパク・テスの死に疑惑を持ち、内禁衛{ネグミ}*3従事官{チョンサガン}キ・チュンスにパク・テスは本当に死んだのかどのように死んだのか調査するよう依頼する。

義禁府{ウィグムブ}*4に移送されたはずのオクニョが義禁府に移送されていないことを疑問に思ったウォニョンが面会に来るも、体調が悪いからこちらが呼ぶまで来ないで欲しいと言って会わずに追い返す。
オクニョが避難させた典獄署の地下監房から脱走したことを知ると、キ・チュンスにウォニョン側より先に探し出すよう指示する。直後にチョン・ナンジョンが面会に来るが無視したものの、ナンジョンが跪いて涙ながらに「何が間違っているのか教えてほしい」と尋ねると、「それはすべての真実が明かされれば分かる」と行って立ち去る。

キ・チュンスがようやくオクニョを連れて来て、パク・テスの死についてすべて話すよう命じる。途中でウォニョンとナンジョンが駆けつけ抗議するが黙らせて退去させ、引き続きオクニョから話を聞く。オクニョの話が信じられるとしてオクニョを赦免し望みどおり典獄署の茶母{タモ}*5に復帰をさせ、ウォニョンを罷職させて典獄署に収監させる。

ところがユン・ウォニョンとジョン・ナンジョンの横暴を見逃す王(明宗)と大妃(文定王妃)を責める壁書が貼られたことを知り、事態を収集させるためにウォニョンを典獄署から釈放する。しかもご機嫌伺いに来た姪のユン・シネに結婚祝いに何が欲しいと尋ねると、両親の罪(パク・テスを殺したこと)を許して欲しいと懇願され二人の罪を許す(結局は二人を頼りにせざるを得ないので)。

オクニョを宮殿に呼んで、女官になることを提案するが断られ、望みとしてパク・テスの身分を回復して欲しいとお願いされるが、この問題については簡単に決められないが考えておくと約束する。
その直後に謁見に来たナンジョンが娘を婚礼をさせるのに自分の身分が妾なので姻戚に面目がないから(正式夫人である)貞敬夫人{チョンギョンブイン}*6牒紙{チョプジ}*7を出して欲しいと涙ながらに訴え、(正妻の)キム氏が亡くなって間もない状況なので難しいとしながらも牒紙を出す。

刑曹正郎{ヒョンジョジョンナン}になりすまして宮殿の外に視察に出た明宗に「宮殿の外は危険なので出てはいけない。民がいつ暴徒に変わるかもしれない」と叱る。しかし明宗は「いつ暴徒に変わるかも知らない飢えた民を直接見回して対策を用意したかった」と自分が密かに宮を抜けた理由を説明した。これに対して「それは重臣と私が作成します。主上{チュサン}が出ることはありません」と苦言する。ところが明宗は「私は、いつまで母上の命令に従わなければなりませんか?この国の王は、私でございます!!」と反抗する。

明宗に反抗され思い悩んだ挙句、ユン・ウォニョンを呼んで明宗が自分の命令に文句をつけ始めたと憂慮する。ユン・ウォニョンは当然そんな年になりましたかとして明宗がその間どれくらい苦しんでいたのか叔父でなく男対男として話をしてみましょうと話す。大妃には計ることができない明宗の心について「お前はそう思うのか」と尋ねると、「当然のことです。ご心配いりません。よくたしなめておきます」と明宗と直接対話してみると言って安心させる。(しかし対話はできずに終わる)

明宗と会う約束のため大殿を訪れるが、昼間から宮殿の外へ出て不在のため内官と尚宮を叱り飛ばす。遅れて戻ってきた明宗に対し、自分や重臣たちを不信に思われたこと(だから度々宮殿の外に出るのだと思っている)を謝り、以降許してもらうまで食事はしないと宣言する(しばらくして食事は摂るようになったらしい)。
ナンジョンが訪ねてきて約束の2万両の資金が半分しか用意できない、ウォニョンが自分ではなく、これまで捨てておいたホンメの息子のユン・テウォンを助けたと泣訴する。ウォニョンを呼びつけ、ナンジョンから聞いたことについて糾弾する(内帑金*8が用意できないと困るらしい)。

ウォニョンが襲われ意識不明のまま屋敷に運ばれたと聞き、御医{オウィ}を派遣し自らも屋敷を訪ねて見舞う。ナンジョンから犯人は鳳城君{ポンソングン}*9に縁のある者たちと考えられると聞き捕らえて尋問する。
回復したウォニョンから嫡庶差別*10を撤廃するよう要請されそのとおりにする。(←今ココまで)

本貫は坡平{パピョン}、性は{ユン}尹之任{ユン・ジイム}の娘であり明宗の母。1517年(中宗12年)王妃に冊封され、1545年仁宗が在位8ヶ月で死んで12才に明宗が即位するとすぐに母后として垂簾聴政をした。この時、弟尹元衡{ユン・ウォニョン}が権力をつかんで、大尹と呼ばれる尹任{ユン・イム}一派を追い出す乙巳士禍を起こした。篤い仏教信者で度牒{トチョプ}*11を実施して僧侶を選んで全国300個余りの寺を公認するなど崇儒排仏を無視して仏教中興をはかった。

僧侶普雨{ボウ}奉恩寺{ボンウンサ}住持{スチ}*12に任命して奉恩寺付近(貞陵{チョンヌン})に中宗の陵を移葬させた。これは文定王妃が自分が死んだ後中宗と共に埋められようと考えたことだったが貞陵の土台が低くて毎年齋室まで水が満ちる状態で補土するのに多くの費用がかかってその志を果たすことができなかった。

1553年(明宗8年)明宗に親政をするようにしたが、これは形式的な手続きであっただけで、実際には尹元衡と協力して政事にずっと関与した。 実子では明宗以外に懿恵{ウィヒェ}孝順{ヒョスン}敬顕{キョンヒョン}仁順{インスン}公主など1男4女がいる。陵はソウル蘆原区{ノウォング}孔陵洞{コンヌンドン}泰陵{テルン}である。

ネイバー知識百科(斗山百科)より
出演者
キム・ミスク
吹替版の声
野沢由香里

関連ページ

オクニョ/玉女 ユン・テウォン/尹泰源 文定{ムンジョン}王妃 ユン・ウォニョン/尹元衡 チョン・ナンジョン/鄭蘭貞 イ・ソジョン/李素晶 ユン・シネ/尹信惠 パク・テス/朴泰洙 ソン・ジホン/成知憲 チ・チョンドク/池川得 チョン・デシク/鄭大植 ユ・ジョンフェ/柳種會 イ・ヒョソン/李孝盛 ユグム チョンドン チョン・ウチ/田禹治 イ・ジハム/李之菡 トップン チェドク コン・ジェミョン/孔載明 トチ チャクトゥ ソン・ファノク/成煥鈺 チョン・マッケ/鄭莫介 ミン・ドンジュ/閔東珠 チョングム スングム ファン・ギョハ/交夏 ソン・チャフム/成次欽 カン・ソノ/姜善浩 キ・チュンス/奇椿壽 キム尚宮{サングン} 明宗{ミョンジョン} ヤン・ドング/梁東九 イム・コッチョン/林巨正 ファン・ジニ/眞伊 テジャングム/大長今 カビ ケトン カン・マンボ オ・ダルジュン/呉達中 ホンメ/紅梅 オ・チャンヒョン/呉長鉉 イ・チョングク/李靖國 チュ・チョルギ アタイ チン・ピロ/陳弼浩 ソナ キム氏/金氏 ミュンソル ソン・ソク/宋錫禹 イ・ミョンウ コン・ウンス トンチャン キム・テジョン/金泰延 驪州宅{ヨジュデク} マノク マンス ミン・スオク スチャン イム・チャングク トクスの妻 トクス ハン・ジェソ/韓在瑞 イ・ヨンシン/李榮信 キム・ジュギョン チルソン 捕盗大将{ポドデジャン} チェソン ハン尚宮{サングン} イ・ジョンミョン(李政明) チョン・サンホ ユ・ギジュン チャン・ソンプン 德興君{トクングン} 平市署提調