ソン・ジホンパク・テスの孫

己卯士禍{キミョサファ}*1で家が籍没されて散り散りに避難していた中、唯一生き残った父パク・ジョンフムが隠れ家で息子を残して義禁府{ウィグムブ}に捕えられて死ぬ。
捨てられた孤児の身分で奴婢たちの手であちこちで育てられていた子供は、ある日、開城{ケソン}都房{トバン}*2ソン・ファノクに会う。何の来歴もない養子になる者を探していた彼は一目で彼の聡明さを調べ事情のある親戚の養子に偽装養子縁組させる。そして奴婢から両班に身分が変わった彼はソン・ジホンという名前で新しい生活を始める。
生来の明晰と勤勉さで学業に専念した彼はわずか20歳に科挙を受験して堂々と合格し、承差{スンチャ}*3を繰り返し捕盗庁{ポドチョン}*4従事官{チョンサガン}*5[従六品]の地位に上がることになる。

ユン・ウォニョンチョン・ナンジョンの娘ユン・シネの婿候補としてユン・ウォニョンの屋敷を訪ね、二人に大いに気いられる。
しかし捕盗庁の仕事が忙しすぎて婚姻の話は進まなかった。

チョン・ナンジョンの指示でコン・ジェミョン商団を禁止品種(水牛の角や火薬など)の調査名目で捜索し戻ってきたコン・ジェミョンを捕える。

典獄署{チョノクソ}*6の地下監房から脱獄して手配されたオクニョが逃げた隠れ家にやって来るも取り逃がす。
翌日、ユン・ウォニョンとチョン・ナンジョンの屋敷に謝罪しに来たついでにシネに初めて会いお茶に誘われるが、忙しいと言って断って帰る。
オクニョがキム氏宅にいるとのナンジョンからの通報を受け駆けつけ捕まえるが、あとから来たキ・チュンスにユン・ウォニョンの命令だと言って連れて行こうとするがキ・チュンスに大妃{テビ}文定{ムンジョン}王妃)の命令だと言われ抵抗できずに引き渡す。

ユン・ウォニョンが罷職*7されたと聞き屋敷にやってくるが、既に内禁衛{ネグミ}*8によって捕らえられ連行された後だった。

イ・ミョンウが典獄署の監房で天井から首を吊って亡くなったまま発見され、遺体を引き取って作人{オジャギン}によって検死を受けさせるが立ち会うはずのヤン・ドングら部将を退席させ、予め受けていたチョン・ナンジョンの指示で自殺として処理する。
ナンジョンになぜ自殺として処理するのかわからないと尋ねたところ、近々謀反事件が起きるので大妃にそれを収束させるために典獄署に収監されているユン・ウォニョンを釈放させざるを得なくするためなので協力して欲しいと言われ渋々承諾する。

ユン・ウォニョンが釈放されるとイ・ミョンウを偽壁書事件に加担した首謀者にでっち上げたナンジョンが功を立てさせようとして本来義禁府{ウィグムブ}*9が捜査すべき仕事を任され、イ・ミョンウ宅を家宅捜索して賄賂に使った金銭を調査する(それを謀反に協力した資金にすり替えるため)。
それによってイ・ミョンウに会っていたユン・テウォンを捕らえ拷問するが、「そこまでしてチョン・ナンジョンの犬になって出世したいか」と屈辱を受けたので、怒ってさらに締め上げさせる。
引き続きユン・テウォンに拷問していたが、(ユン・ウォニョンの怒りをかった)ナンジョンに呼びだされユン・テウォンを釈放するよう指示され釈放する。

婚礼の顔合わせの前にユン・ウォニョンの屋敷でシネと一緒にお茶をする。「私は野心が大きい人だ。私はお嬢様との婚姻は野心を成就するための踏み石だと思っている」と本心を打ち明ける。これに対しシネは「私も野心のない夫は嫌いです。私がよく内助するから必ず望みを成し遂げてください」と答えお互い微笑み合う。
開城から父ソン・ファノクがやってきて家族で豪勢な顔合わせの宴会をする。

突然オクニョが捕盗庁に訪ねてきて「確かめたいことがあります。私の知る限り旦那様{ナウリ}が養子縁組になったと聞きました。ひょっとして生みの両親が誰であるか知っていますか」と尋ねると、「養子縁組とはいったい誰がそんな卑劣な言葉を言うのか」と怒った。これに対しオクニョは「信頼できる人に聞きました」と述べたが、「黙れ。私はそんなでたらめなど聞きたくないので帰れ」と叫んだ。しかしオクニョが「旦那様の生みの両親についてよく知っています」と食い下がると、「聞きたくない。すぐに出て行け」と席を蹴って出て行く。
オクニョの話を聞いた後父ソン・ファノクを訪ね「私は父上と本当に血がつながっているのか」と尋ねた。これに対しソン・ファノクは「誰がそのような話をするのか」と答えるが、すぐ「いつかは話すつもりだった」として4歳のときに養子縁組をした事実を認める。「私の両親はどんな人か」と尋ねると、ソン・ファノクは「人を使って何の縁故もないお前を連れてきた」と言い「婚礼を控えているので姻戚の家にこのことを知られないように注意をしろ」と話す。
ある女性が舅姑と子供を全員殺した事件が起き捜査に来るが、先に来ていたヤン・ドングの話では3日間何も食べておらず疲れて魚を拾って来て食事に出したがその魚にふぐ毒が入っていたとのことだった。しかもその女性は子供たちを少しでももっと食べさせようと自分は一口も食べなかったから皆死んで自分だけ生き残ったと聞いて心を痛める。夫のトクスは典獄署に収監されているとのことで埋葬のため一時釈放させるよう指示する。それに対してチョン・ナンジョンが10日間も誕生日祝いを行っているのを見て何か違うと感じて出迎えたシネに急用ができたと言って帰る。
ヤン・ドングを呼んでオクニョについて尋ねると「捕盗庁茶母の試験を受けた。今まであんなに優れていた子はいなかった」と答えた。ソン・ジホンは「なぜ落ちたのか」と尋ねると、ヤン・ドングは「おそらくカン・ソノ体探人{チェタミン}*10にさせることを望んだようだ」と聞き、オクニョが信用できるのか一人悩んだ末オクニョに会いに典獄署へ行くがあいにくオクニョは留守だった。

再びオクニョが捕盗庁を訪ねてきて話を聞くことにするが、それをシネが目撃しやってきて怒り狂って帰ってしまう。
自分の部屋に入ってオクニョからかつて典獄署の地下監房に長年いたパク・テス様が祖父で、義父となるウォニョンの陰謀で殺されたと言われ、俺を謀反人の一族にする気かと激怒しオクニョからパク・テスの遺品を渡されるが受け取るのを拒否する。

ウォニョンを素素樓{ソソル}*11に招き一席設けパク・テスについて尋ねると、ウォニョンは自分との悪縁を話す。以降一人物思いにふけり、オクニョを訪ねてパク・テスの遺品を何も言わずに受け取る。

オクニョにもらったパク・テスの遺品にある手紙を読む。そこには自分の孫(ソン・ジホン)がこれを確認するときには自分がこの世に存在しないものであることを示し、同封された地図について「その地図の場所を探すとお前の人生に恩恵をもたらすものがあるだろう」と書かれており、古地図に目をやる。さらに「この手紙を渡したオクニョという子は私にはかけがえのない大切な友であり、たった一人の弟子だった。お前の力が届くなら、ぜひオクニョを守ってほしい」と書かれていた。手紙を何度も読み上げて葛藤する。
自分を育ててくれた父ソン・ファノクに会って婚礼についてもう一度考えてみたいと話す。これに対しソン・ファノクは「最高一族の婿になる身だ。その機会をお前は自ら蹴ろうとしているのか」と反対する。自分はウォニョンとナンジョンのために罪のない人を捕まえ行進までしたと、もはや権力の奴隷はしたくないと述べた。しかしソン・ファノクにウォニョンと姻戚を結ぶために、自分がどれだけ努力したかどうか知っているかと「私を失望させてはいけない」と述べる。
その後ナンジョンに呼ばれて屋敷に向かう。塩の競合のことで他の参加者を(松坡{ソンパ}の大行首キム・ジュギョン)を始末しろと命じられるが一言の下に拒否する。
帰る途中でシネと出くわし、シネから以前に目撃したオクニョとの関係を問われるが、なぜ問われるかわからず、お嬢様が分別のない方だとは知りませんでしたと急いで立ち去る。

結婚を断るためシネを訪ねる。理由は話せないと言う。
ウォニョンに呼ばれて秘密帳簿を渡して調べろと命じられ、確実な証拠なので拒否できず引き受ける。チョン・デシク、オクニョ、コン・ジェミョン、テウォンを捕えて秘密帳簿を元に尋問する。

尋問の際にオクニョに秘密帳簿をつきつけ、お前がこの帳簿を保管していたとは本当か?それが真実なら、例えそうしたくとも、私はお前を助けることはできないと通告する。オクニョからどうやってこの帳簿を手に入れたか教えてほしいと尋ねられるが、それは秘密だと答える。
オクニョがチョン・デシクの賄賂を管理し、軍営に塩が不足しているという国家機密を把握した罪で、棍杖{コンジャン}20回と、黄海道{ファンヘド}海州{ヘジュ}監営{カミョン}の官婢として送られることになると、茶母の分際でそのようなことはできないはずで不当だから再考してほしいと異議を唱え、3日後に再度裁判を行わさせる。

しかし、オクニョに軍営に塩が不足していることを誰に聞いたのか聞き出そうとするが回答を拒否され、その上ウォニョンの命を受けた捕盗大将{ポドデジャン}から取り調べの担当から外されたので覆すことができなかった。
ナンジョンの陰謀で海州監営の判官{パンガン}に左遷させられる。そこへ山賊に襲われ負傷しながらもオクニョがたどり着く。漢陽{ハニャン}ではオクニョたちが山賊に遭って殺さされたことになっているので、生きていることを報告せずにこのまま官婢から抜け出す方法を模索することにする。(←今ココまで)

出演者
チェ・テジュン
吹替版の声
森宮 隆

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