ユン・テウォン麻浦{マポ}サムゲの渡し場の商圏を掌握している漢陽{ハニャン}の商団と曰牌{ワルベ}*1組織の親分

ユン・テウォン2文定{ムンジョン}王妃の弟であり、当代最高の権力者であるユン・ウォニョンの庶子*2
テウォンの母は、漢陽最高の妓房{キバン}素素樓{ソソル}の妓女ホンメである。
ユン・ウォニョンの寵愛を受けていたホンメはチョン・ナンジョンがユン・ウォニョンの妾になると息子テウォンと共に惨めに捨てられる。父ユン・ウォニョンから捨てられたひどい傷は、ユン・テウォンの性格を、世の中に対して反抗的で冷笑的に作った。麻浦の渡し場の曰牌たちと交わって人生を無駄にしていたテウォンは、自分に特別に優秀な商才があることを悟るようになって、商売に飛び込んで麻浦の渡し場の商圏を掌握することになる。テウォンは、力のない無知な良民と商人のために外知部{ウェジブ}*3を商団に所属させて運営することもある。

14歳のときに母親が病死し、その時に自分と母を追い出し母が危篤のときに助けを求めた際にも追い返されたチョン・ナンジョンに復讐すると誓う。その直後、街で会ったチョン・ナンジョンの顔に石を投げつけ逆にどヤされる。

かつて七牌{チルペ}市場付近の商圏を牛耳り典獄署{チョノクソ}*4に入っていたカン・マンボに巧みに近づく際に茶母{タモ}*5だったオクニョと知り合う。
カン・マンボの息の根を止め手下らを蹴散らし市場付近を掌握すると、トチの紹介でコン・ジェミョンの商団に入ることになる。

商団でメキメキと頭角を現し行首{ヘンス}*6になる。チョン・ナンジョン商団の闇取引の商品を横取りしコン・ジェミョンを通じてチョン・ナンジョンとの対決姿勢を見せる。
コン・ジェミョンが明の使臣のオ・チャンヒョンと知り合いだと知ると、これが好機と使節団が帰国する際に商団を率いて同行し、明の燕京*7で商売をしようと考える。
その際、通訳として同行するオクニョと久しぶりに再会する。ところが野営地が炎に包まれ大混乱する中、一旦オ・チャンヒョンを助ける。

結局、オ・チャンヒョンが暗殺されたので(その際オクニョが体探人{チェタミン}*8の一味にいることを知る)、商団は使節団から離れて朝鮮に戻れと言われるが、商団はそのまま待機させ、とりあえずトチと二人だけで燕京へ向かう。
燕京に着くとオ・チャンヒョンと政敵関係にあったチン・ピロ(以前オ・チャンヒョンを救出した際に自分を暗殺するならあいつかユン・ウォニョンが怪しいと聞いていた)を訪ね、暗殺疑惑を解く方法を教える見返りに商売ができるように頼み支援を受ける。そして燕京で稼いだ金で全部の絹を買い占めて帰国する。
帰国後、行方がわからず気になっていたオクニョが漢城府{ハンソンブ}の牢獄に入っていることを知り、面会して事情を聞くもオクニョは何も話せないと言うので当惑する。

チョン・ナンジョンに復讐する事情を知ったコン・ジェミョンに呼ばれ理解を示してもらうが、「必ず喧嘩に勝つつもりです。大行首{テヘンス}(コン・ジェミョン)も家族も絶対怪我はさせない。自分を信じて欲しい」とお願いする。
まずはチョン・ナンジョン商団の独占品目である朝鮮人参を市場に流通させると、コン・ジェミョンが捕盗庁{ポドチョン}*9ソン・ジホンに禁止品種の調査名目で捕らえられる(トチからソン・ジホンはユン・ウォニョンとチョン・ナンジョンの婿になる予定でナンジョンの手先かもしれないと聞かされる)。
捕らえられたコン・ジェミョンを釈放させるため、素素樓でファン・ギョハに頼んで手助けしてくれる人物を探してもらうよう頼んでいたところ、偶然そこにやって来たユン・ウォニョンが典獄署の地下監房にいるオクニョを殺すよう命じているのを隠れ聞き、急いでチョンドンを訪ねて(コン・ジェミョンの件はあとから素素樓に来たトチに任せる)、一緒に先回りしてオクニョを地下監房から救出して一緒に逃亡し、オクニョから自分が命を狙われている理由を打ち明けられる。翌朝うなされるオクニョを手当しながら父ユン・ウォニョンの仕業に複雑な気持ちになる。

都城でオクニョの手配書が貼られているのを見つけ、隠れ家に戻った際には既に捕盗庁の武官らが占拠しており、とりあえず実母のように慕うキム氏にオクニョを預け、ユン・ウォニョンに会いに行くが不在で代わりに出たチョン・ナンジョンに追い返される。
キ・チュンスが訪ねてきてオクニョのことを聞かれるが一緒に明国には行ったがその後は知らないと答える(キ・チュンスが信用できるかどうかわからなかったため)が、結局オクニョの居場所を知らせる。

オクニョが濡れ衣が晴れて典獄署の茶母に復帰できたことを共に喜ぶ。
オクニョから典獄署にユン・ウォニョンが収監されナンジョンに対する復讐の絶好の機会だと助言され、ナンジョンの罠にかかって典獄署に収監されているイ・ミョンウと会って独占的取引を持ちかける。
オクニョと一緒にキム氏を訪ねたところキム氏が口から血を流して倒れているのを発見し医者を呼んで助ける。

イ・ミョンウとの取引を行う日にオクニョからイ・ミョンウが首を吊って死んだと報告を受け、取引は失敗に終わる。
しかも謀反事件に加担したとでっち上げられたイ・ミョンウと会ったということで、捕盗庁に捕らえられソン・ジホンから拷問を受けるが、「そこまでしてチョン・ナンジョンの犬になって出世したいか」と抵抗すると更に締め付けられ、引き続き拷問を受けるが、捕らえられたことをコン・ジェミョンに教えられた父ユン・ウォニョンによって釈放される。

キム氏の下女ミョンソルがチョン・ナンジョンの指示でキム氏の食事に毒を持っていたことをキム・テジョンに告発するのに同行するが、ミョンソルが矢を受けて殺されてしまって失敗に終わり、改めてチョン・ナンジョンの力の大きさを認識し絶望的になる。
夜一人で静かに酒を飲んでいるとユン・ウォニョンの執事をしているチョン・マッケが現れ、釈放された礼にウォニョンと会うことを提案するが拒否する。
キム氏が亡くなり、弔問にやってきたウォニョンと再会するが、「殯所*10を汚すな。出て行け。母上は毒殺されたのだ。チョン・ナンジョンの仕業だ」と絶叫する。意外な告発にウォニョンはテウォンを平手打ちし「お前がいくら怨恨が深いといっても、どうしてそんなに途方もないことを言うのか」と信じないので、「間違いなく毒殺だ。下女を買収して毒を食べさせて徐々に殺した。証拠をなくそうと下女まで殺した。俺がすべて明らかにする。それができないなら直接仇を討つ。今に見てろ」とウォニョンを追い返す。
ファン・ギョハからナンジョンへの復讐に協力したいので素素樓の経営を任せたいと提案される。
オクニョから典獄署に供給するためナンジョンから米を奪取する計画を聞き驚くが「やってみよう」と後押しする。

オクニョ、イ・ジハムチョン・ウチとともに計画を練る。当初は税穀船{セゴクソン}*11を奪取する計画だったが、「税穀船を奪取するということは不可能なようだ。全羅道{チョルラド}から漢陽{ハニャン}税穀米{セゴクミ}*12を運ぶのはナンジョンの商団だが、すでに彼らが相当数の税穀米を運び出していた」と報告し計画を変更することにする。チョン・ウチから「詐欺を働く相手の欲、貪欲を利用しなければならない」と言われ、ナンジョンは{きん}が好きだと情報提供し、金塊をダシに詐欺を働くことになった。打ち合わせが夜遅くなったので典獄署まで帰るオクニョに「お化けが出る。夜道で女性一人では危険だ。俺が送っていこう」と言うと、「私を女として見ているのか。昔、典獄署で初めて会った時のように子供として見ているのではないか」と尋ねた。「それはよくわからない。でもチョン・ナンジョンに気おくれせずに飛びかかるのを見れば子供ではないようだ」と返事すると、オクニョから「じゃ女としてみていると考えますから」と言われ苦笑する。別れ際に「俺はお前を助けるんじゃない。チョン・ナンジョン相手に復讐するのなら、それが俺のすべきことだ」と告げる。
素素樓の経営を引き受けることになり、素素樓で先にコン・ジェミョンらを待っていたところ、常連の別監{ピョルガム}*13が酔ってソジョンに絡むので助けて出してやる。それを見ていたコン・ジェミョンらには前からよく暴れるので一度とっちめようと思っていたと言い訳する。経営者になった日に「他のことは分からないが、酒席で暴れる奴は確実に片付けてやる」と挨拶をして妓生{キーセン}たちを喜ばせる。

オクニョからイ・ジハムの案で商団に協力して欲しいと要請される。それを目撃したソジョンに格別の関係があるようだと言われ、格別の関係だとしておきましょうと答える。
オクニョからウチがナンジョンに監禁されたと聞き、夜中に二人で監禁場所に潜入して助け出そうとするが、ウチから今いなくなると計画は水の泡になるからと言われ、そのまま退散する。
結局ウチの命がけの活躍によりナンジョンから天銀1万両を奪取することに成功し皆で喜ぶ。
トチからコン・ジェミョンがウォニョンに頼んだので自分が捕盗庁から釈放されたこと、さらにあの二人は何か企んでいることを知る。

コン・ジェミョンのところへ行き、ウォニョンに頼んだことは本当か、その理由を尋ねると、コン・ジェミョンはテウォンが反逆罪で捕まっており死ぬかもしれないので他に方法がなかったと釈明し、その後も何度かウォニョンに会って彼がテウォンを捨てたことを後悔しており、父親として援助したいので商団の後ろ盾になることを申し出ていることを話し、ユン・ウォニョンとチョン・ナンジョンに復讐するのにユン・ウォニョンを利用すればいいのだからよく考えろと助言される。
オクニョから典獄署の囚人たちに塩を作らせたいので協力を要請され、喜んで商団の塩精製施設を貸す。
先日素素樓で追い払った別監たちが仲間を引き連れ仕返しにやってきて対決するが、人数的に不利な状況となっていたところ、ウォニョンがやってきて一喝の上暴行を加えて退散させる。その際に話がしたいと言われるが話すことはないと拒否する。
オクニョが刑曹正郎{ヒョンジョジョンナン}と称する怪しい男に絡まれていると聞き、トチと二人でとっちめに行くが、オクニョの勘違いということでその場は収まる。しかし「できるならあいつと会わない方がいいだろう。寄生男のようにできが良くない人相だ。男が見れば分かる」と助言する。
自分からウォニョンを素素樓に呼び「平市署{ピョンシソ}*14の塩の納品の競合が公正に行われるようにしてほしい。権威を利用して競合で勝つのではなく、チョン・ナンジョンと公正な競争を繰り広げられるよう力になってほしい」と頼む。

チョンドンからオクニョが東宮殿の元宮女であるミン・スオクに会ったということを聞いて心配して駆けつけ、母の死について知りたいと思うお前の気持ちは分かるが、あまりに焦るのは良くないと心配する。
居酒屋に来ると女将からオクニョがこの間の男(イ・ギジュン)と中で会っていると聞き出てくるのを待つ。イ・ギジュンが帰った後、テウォンはオクニョを呼んで、「さっきの人は誰だ?どうして何度も会ってるんだ」と聞くが、オクニョは「今は言えません」と答えたので、暗い顔をして「言えないんだったらしょうがない」と言う。オクニョが「怒ってますか?」と聞くと、「何で俺が怒るんだ。他に気掛かりなことがあるだけだ。俺はそんなに小さな人間じゃない」と突然怒りだす。
素素樓で飲んでいた松坡{ソンパ}キム・ジュギョン商団が釜当たり6両で競合を行うという情報をつかむと、オクニョから「ナンジョンは今まで7両50銭で塩を出していました。今回もそうではないでしょうか」と尋ねるが、「それはない。今回とんでもない価格を出すことになるだろう」と予告する。
というのもオクニョから平市署の競合はせず、軍営{クニョン}*15に塩を納品すればもっと利益が出ると教えられたので、イ・ジハムとチョン・ウチに相談してコン・ジェミョン商団は3両の提示をすることにし(チョンドンらに落札額を紙を盗まれることは織り込み済み?)、ナンジョン側(ミン・ドンジュ商団)の落札額を引き下げさせる(2両90銭でミン・ドンジュ商団が落札する)。
実際に軍営{クニョン}*16に塩を納品することになり大いに喜ぶ。

商団のみんなとイ・ジハム、チョン・ウチで祝賀会をしていたところに顔を出したオクニョに、軍営に納品すればよいと誰に言われたか聞かれるが、それは内緒だと話す。
オクニョを送る途中で雨に降られて雨宿りすることになり、そこで誰に聞いたのかを尋ねるが、「もうこれ以上は尋ねないでください」と拒絶される。しかし「俺にまで秘密にするのか。面白くない。お前は一人で帰れ。お前のように戦える子を見送るのは面白くない」として嫉妬を爆発させたので、「知っています。言います」と言ってオクニョはテウォンの腕を組み、イ・ギジュンから聞いたことと「その人は主上{チュサン}殿下(王様)の命を受けている暗行御史{アメンオサ}*17で、今回のことは典獄署囚人が恩恵を見るのだから特別に助けてくださるということで会いました」と答える。これに対し「典獄署の事情が分かったのだから、これ以上会わない方が良いだろう。今後も会わなければならないのか?できるなら会うな。別の理由があるからなのではなくて人相が良くないから」とつまらない理由を挙げて阻止しようとし、オクニョは「行首様が会うなと言うなら会わない」と約束する。
チョンドンからオクニョがナンジョンの手の者(トンチャン)に狙われていると聞き、心配して探しに行く。探している途中でちょうどオクニョを追っていたトンチャンと出くわし、「オクニョはどこに行った?死にたくなければオクニョがどこにいるのか教えろ」として対決する。
その後、オクニョがイ・ギジュンと市場の居酒屋で酒杯を傾けるのを発見したテウォンは「お前何やってるんだ。皆がお前を心配しているのに、ここで何やってるんだ」と怒り、オクニョに「別にする話があるので、席を立て」と言うと、イ・ギジュンがオクニョにまた会おうと次の約束をするので、イ・ギジュンに「もう会うことはないのでオクニョを訪ねないでください」と伝えてオクニョを連れて行く。オクニョと二人きりになったテウォンは「(イ・ギジュンと)二度と会わないと言いながらなぜまた会ったの?」と文句を言うと、これに対しオクニョが「最後にご挨拶申し上げなければならないと思って会った」と答える。その時初めて心が少しやわらぎ「ナンジョンがなぜお前を捕まえろというのかわかるか。自分が騙されたことに気付いたに違いない。当分歩き回らずに典獄署から離れるな」と忠告する。さらに「ご心配をおかけして恐れ入ります」と謝るオクニョに向かって「俺に気を遣わずにお前の体を心配しろ」と言って立ち去る。
コン・ジェミョンとともに捕盗庁に捕らえられ、ソン・ジホンから軍営に塩を納品するようになった経緯を尋問されコン・ジェミョンをかばう。典獄署に移送される。

面会に来たファン・ギョハとソジョンが捕盗大将{ポドデジャン}に会ったが、皆ユン・ウォニョンの命令に従っていて助けられないと言うので、ソジョンがユン・ウォニョンに直接会うというと辞めてくれと拒否して面会室を出て行く。
コン・ジェミョンがナンジョンに助命を懇願したので、本来杖刑{チャンヒョン}*1850回のところを贖錢{ソクジョン}*19で免責される。しかし、オクニョが棍杖{コンジャン}20回と、黄海道{ファンヘド}海州{ヘジュ}監営{カミョン}の官婢として送られることになると、ソン・ジホンとともに異議を唱える(しかし判決は覆らずオクニョは海州に送られる)。

釈放されて、商団がナンジョンの下につくことを知って反発し、商団にやってきたナンジョンに自分は従わないと言って商団から出て行く。
偶然何者かに襲われ瀕死の重傷を負ったユン・ウォニョンを助け屋敷に運ぶ。意識不明のままのウォニョンを屋敷の外で案じていたが、マッケに呼ばれて部屋に入り見舞ったが、ナンジョンがやってきたので出て行く。その後しばらくコン・ジェミョンに呼ばれても会おうとしなかった。

5日間生死をさまよったが意識を回復したウォニョンと素素樓で会って母ホンメとともに見捨てたことを謝罪され、庶子でも任官できるように制度を変えるよう大妃に取り図らったとのことで任官を勧められる。そこで市場の動きを取り締まれる平市署主簿{チュブ}[従六品]に就任する。(←今ココまで)

出演者
コ・ス
出演者(子役)
チョン・ユンソク
吹替版の声
浪川大輔
吹替版の声(子役)

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