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私が試験を受けられない理由はないんじゃないですか?

クァンヒョンはチニョンに恵民署{ヘミンソ}の医生になりたい理由として「今回誰でも試験が受けられることになり、私のような馬医でもがんばれば人医になれるということを証明したい」と説明する。チニョンが家の前でクァンヒョンと話している様子を見たソンハは、一緒にいたチョンドゥからあの男はチニョンの幼い頃に死んだ友達と同じ名前なのでチニョンがその面影を重ね合わせているのではと教えられ心配になる。
クァンヒョンの話を聞いたチャボンは「馬医が人を治すことなど道理に外れ、医生なんて医官の弟子や有名な医員の子息がなるものだ」と反対するが、キベは「お前の一生は馬医の運命だと言っても、その才能をここで終わらせるには惜しい。もっと人間らしく生きなければならない。死に物狂いで一度やってみろ。お前ならできる」と応援する。クァンヒョンは医書"本草綱目"を手にして人医になろうと固く誓うのであった。

淑徽{スッキ}王女は水剌間{スラッカン}でクァンヒョンのために前掛けだけでなく顔まで卵まみれになりながら自分で九節板{クジョルパン}*1の皮を作っている。そこにすっ飛んできたカク尚宮に王女は「彼は私が作った九節板を食べてくれるだろう」と幸せな笑顔を見せ、さらに「私も他の女性のように夫に手作り料理を作って食べさせたい」とまで言いカク尚宮は"夫"という言葉に仰天する。すると大妃{テビ}がやってきてその様子が見つかってしまう。
大妃は王女に「最近何をしてるのか」と先日クァンヒョンに与えた絹や薬剤まであげて説明を求めた。しかし事実を明らかにできない王女は戸惑うばかりである。マ武官に呼び出されてチニョンも同席させられるが、絹と薬剤は自分の頼みで患者のために恵民署で使用しましたと嘘を言い、九節板を作っていたことについては「最近王女様がお嫁に行ってもできることがないと心配されるのでお稽古していました」と瞬間的に機転を利かせる。危機を免れた王女はクァンヒョンへの思いを大妃に知られずに済みほっとする。チニョンが「そんなにペク馬医が好きなのですか」と尋ねると、王女は「賤しい身分だから私には相応しくないことは分かっているが、彼の笑顔、暖かい眼差し、優しい声が本当にすてき」と打ち明ける...

恵民署の医生選抜試験の応募に全国からたくさんの人がやって来る。受付でクァンヒョンとばったり会ったミョンファンは馬医が医生の試験を受けるなどあってはならないと内医院{ネイウォン}の医官らとコ・ジュマンに抗議する。だがコ・ジュマンは意に介さず「かつて内医院の医官の中にも馬医がいた」と言い放ち医官たちは仰天する。他の医官は信じられないままやむなく退室するがミョンファンだけは忌わしさを消せなかった。というのはミョンファンの実の父親が馬医だったからでミョンファンが医生だった頃コ・ジュマンはこの事実を知っていた。当時コ・ジュマンはミョンファンに「父親が馬医であることが何の関係があるのか?お前が気にするなら誰にも言わない」と約束したことを思い出す。しかしミョンファンは今回のコ・ジュマンの発言が自分を指すような気がしてならなかった。だが当のコ・ジュマンは後からシン・ビョンハにあれは口から出まかせだったと言ってのける。
医生の試験を受けることにしたクァンヒョンだが医書を買うことも容易ではなかった。書店で書物を買おうとすると他の受験生たちが来てそれを取り上げ馬鹿にしながらクァンヒョンの頭を叩いた。怒ったクァンヒョンが男の手を掴むと逆に用心棒が来てボコボコにされる。しかしちょうどそこにチニョンが現れ叱り飛ばしてようやく難を逃れた。そこで見かねたチニョンはクァンヒョンのために医術の勉強の先生を買って出て二人は一緒に勉強を始める。
しばらく経ったある夜、昼間は恵民署の医女の仕事をし、夜にはクァンヒョンに医術を教えて昼夜を問わず走り回っていたチニョンはクァンヒョンとの勉強の途中に疲れて居眠りをしてしまう。これに気づいたクァンヒョンはチニョンを横に寝かせて布団をかけ「ありがとう。俺のような奴のために本当にありがとう」と感謝し、初冬なのに暑いと感じて庭で勉強をする。
猛勉強したクァンヒョンだが試験を翌日に控えても膨大な量がなかなか覚えられずに自信を失っていると、チニョンがこれだけを覚えるようにと予想問題をまとめた帳面を持ってきてくれた...

1次の学科試験の当日、クァンヒョンは緊張の面持ちで試験会場に入った。試験が始まってもクァンヒョンは前に表示された問題を見て呆然として一問も答えが書けずにいた。これを見たチョ・ジョンチョルは隣に座っているミョンファンに「あいつを見て下さい。始まっているのに答えられません。あんな奴が何で試験を受けるのか...」と言ってクァンヒョンをあざ笑う。その横にいたコ・ジュマンも口を硬く閉じたままクァンヒョンの姿を黙って見守るしかない。ようやくクァンヒョンは筆を取って答えを書き始めた。時間が経つにつれ、いつの間にか試験場にいた人々は答えを書き終えてほとんどが出て行った。しかしクァンヒョンは終了を知らせる銅鑼が鳴ってもまだ答えが書き終わらず、監督官が容赦なく答案用紙を取り上げてしまった。
試験会場の外ではチニョンとキベ、チャボンが待っていた。3人はクァンヒョンが暗い顔をして出てきたので心配になり、チャボンが「うまく答えられたのか」と用心深く尋ねると、クァンヒョンは黙っていたがすぐに明るく笑って「医女様が作ってくれた問題から半分以上出た」と喜ぶ。クァンヒョンが呆然としたのは答えがわからないからではなく、あまりにも予想問題が当たっていたからだった...

合格発表の日、クァンヒョンは合格者の中に自分の名前があるのを見つけ大喜びする(他の合格者の中には"李炳勲{イ・ビョンフン}"いう名前もある{#ニャッ})。発表を走って見にきたチニョンにクァンヒョンは「ありがとう。医女様のおかげだ」とお礼を述べると、チニョンは「いいえ、今回もあなたがやり遂げたからよ」と笑顔で褒めたたえる。
クァンヒョンが1次試験を合格したことでミョンファンら内医院の者は脅威に感じ、司僕寺{サボクシ}では馬医たちがすごいと大騒ぎになる。
チョン・ソンジョはコ・ジュマンの背後にいる顯宗{ヒョンジョン}を諌めるために影響力のある母親の大妃を利用することを考える。
クァンヒョンは2次の鍼術試験に向け枕を使って練習を始めるが動物と人とは勝手が違うと不安になる。チニョンはクァンヒョンの練習用に鍼術試験に使う鍼灸銅人経*2をインジュから借りることにした。そこにやってきたソンハはクァンヒョンの試験を手伝うチニョンに「もしかしたらその名前だからか?お前がペク・クァンヒョンの世話を焼くのは幼い頃に死んだ友達の名前と同じだからなのか?」と尋ねる。チニョンは否定するが、偶然この会話を立ち聞きしたインジュはチニョンが教えている馬医の名前が"ペク・クァンヒョン"ということを知って驚愕する。"ペク・クァンヒョン"と言えばまさに自分が長年探し回っていた親友カン・ドジュンの息子の名前だからだ。インジュは「あの馬医の名前が"ペク・クァンヒョン"というのか」とつぶやいて衝撃に包まれる。
チニョンは借りた鍼灸銅人経を一度も見たことのないクァンヒョンのところに持ってきた。チニョンが教本を探すためしばらく席を外している間、クァンヒョンは試しに鍼灸銅人経に鍼を刺してみる。チニョンは戻ってくると既に鍼灸銅人経のあちこちに鍼が見事に刺してあるのを見て「どうやったの?これはあなたがやったの?」とびっくりして腰を抜かす...

放送日
○韓国MBCでの放送:2012/11/12
○衛生劇場での初回放送:2013/3/28
○NHK-プレミアムでの放送:2013/9/29

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