俺の帰る方法があるかも知れないだって?

婚姻後夫を失って3年の間喪に服して慎ましい歳月を送った王女は喪が明けて自由な人生に対する希望を抱きながら兄の顯宗{ヒョンジョン}大妃{テビ}の所へ挨拶をしに来た。しかし顯宗は一人私邸で過ごす王女を切なく思って宮廷に再び入ってくることを勧める。王女は喪が明けた後思う存分自由を享受しようと企んでいたのに、宮廷に入ってきて暮らすようにとの顯宗の命に茫然自失してしまった。これに対し慌てた王女は「お嫁に行けば宮廷を離れるのがしきたりではありませんか」として拒絶の意を表わしたが、顯宗は「しきたりはそなたより重要ではない」ときっぱりと命令を下す。顯宗と大妃の意を知るようになった王女は苦しい宮廷に再び入ってくることになって泣きべそをかいて「私がどんなにして3年を耐えたか...宮廷に再び入って暮らせば身動きもできず捕らわれたように暮らさなければならない」として不平を言った。
未亡人のウンソに助言を求めに行った王女は、手紙を見ていて急に隠すウンソの姿に男が送ってきたことで感じて「やはりお前は未亡人の中でもピカ一だ」としてにっこりとした。だがウンソが見ていた手紙は本当はクァンヒョンの行方を探している兄から来たものだった。

眠れずに外に出ているクァンヒョンを見た舎巖{サアム}道人は、彼を呼び入れて、「朝鮮に帰りたくないか」と聞く。クァンヒョンは朝鮮を離れて3年が過ぎたが再び朝鮮の地を踏むことができるかは未知数である状況だとより一層帰りたい心が切実だった。特に自分が愛する人々がまだ朝鮮の地にあって、さらに懐かしい気持ちが大きいはず。これに対し舎巖は「朝鮮に帰ることができる方法があればどうだ」と言いながら「今皇帝の側室であるウヒが大きい病気を患って医員を求める触書を見た。お前がその病気を直したら皇帝の勅書を受けることができるだろう。いくら朝鮮でも皇帝の勅書を無視はできないだろう」と言って、彼が帰る方法があることを伝えた。しかし、容易ではない病気を直さなければなら仕事なのでクァンヒョンは一気に決定を下すことができず迷う。

清国皇室は重病にかかったウヒを治療しようと清国中にある医員はもちろん朝鮮に医療団の派遣も要請していた。北京に到着してすぐにウヒの病状を確認したチニョンとミョンファンは言葉を失った。背中についた傷は骨が腐って入る骨髄炎である附骨疽だったからだ。その上さらに骨などを掘り下げて心臓まで広がった状態だった。以前首医だったコ・ジュマンもこの病気により死亡した。ミョンファンは「附骨疽自体も不治の病だから太医監{テウィガム}*1も手の施しようがないのだ」として悩んだ。チニョンは「ご側室様のような病症の患者を治療して好転すればその処方のとおり治療をするようです。代理治療を先にすることになるでしょう。患者は私たち医療団と清国で選抜された医員にまかせるでしょう」と話す...

結局朝鮮の地に戻りたかったクァンヒョンは舎巖、カヨンと共に北京へ向かったが、国中から応募してきた医員が大勢いることに驚く。しかし舎巖が先日クァンヒョンが帝王切開したときに夫である役人から推薦状をもらっていたこともあり、代理治療を任される。
カヨンはクァンヒョンと一緒に深刻な重症を病んでいるという清の皇帝の愛妾ウヒを治療するための方法を探すため薬剤市場に出かける。またソンハとチニョンも医書を探しに一緒に薬剤市場に行くことにした。
医書を探しに書店に行ったカヨンはソンハとぶつかり、「目をどこに置いて通ってんの」と言って火のような性格を現わした。しかしソンハの顔を見たカヨンは瞬間ギョッとして口元に微笑を作り始め「いや、どうぞお通り下さい」と敬語を話しながらソンハの顔から目を離すことができなかった。ソンハが「申し訳ありません」と言うと「申し訳なくなくてもかまわないんですが」と慎ましくするが、このようなカヨンを見て見ないふりをして「それでは...」と即座に席を離れるソンハの後ろ姿を最後まで見守りながらカヨンは「朝鮮男なの?朝鮮男の中にあんな人が出てくることがあるのか?」と言ってソンハにどっぷりはまった姿を見せた。

医書をすべて見たチニョンは薬剤市場でクァンヒョンと似た人の後ろ姿を発見して我を忘れて追いかけて行くが、クァンヒョンではないことを知って途方に暮れ涙を流す。
チニョンを追いかけてきたソンハは「何かあったのか?」と尋ねると、チニョンは「あの人を見た。ここでクァンヒョンを見た。明らかにあの人だったわ。だから確かにここにどこにいるの?」と気が狂ったように繰り返して言った。しかし自分でなくクァンヒョンを相変わらず心に抱いているチニョンの姿に絶望するソンハは「カン・ジニョン!そいつは死んだ。いくら待っていても帰って来ない!」と促して気に障ることを隠すことができなかった。だが「違う、そうじゃない」とクァンヒョンの死を依然として否定するチニョン。チニョンはクァンヒョンの生存を心の中深く確信していた。ソンハはチニョンに「どうか頼むからやめてくれチニョン。お前があの人を忘れられないことが、俺にとっては毎日毎日が地獄だ。そんなお前を見る俺は気が狂いそうだ」と涙を流すチニョンを懐に抱いた。そして「ペク医生は死んだ。だからもう忘れろ。お前も俺ももうそろそろ忘れよう」とチニョンの手を握ってその間我慢してきた愛情を表わした。

カヨンはクァンヒョンに"私の好み"とソンハに対する話を楽しくしながら名前を尋ねなかったことに対する惜しさをいっぱい表わした。これに対しクァンヒョンは他の所を見ているカヨンにげんこつを食らわせて頭をいやいや振ったが、カヨンはこれに対し物ともせず席を離れるクァンヒョンの後頭部に向かって「歩く彫刻が私に歩いてきて当たったんだよ」と口がすっぱくなるほどソンハに対する話をした。
クァンヒョンはウヒと似た症状を持つ人々を診察して驚きに耐えなかった。ウヒの病気が骨が腐っていく附骨疽で3年前亡くなったコ・ジュマンの症状と同じだったためだ。クァンヒョンは附骨疽という病名を聞いて迷うとすぐに舎巖道人は「これがお前が越えなければならない山だ。お前の心にまだ罪で残っているその病気を打破って自信を取り戻せ」と勇気を奮いたたせる。

ウンソはクァンヒョンが生きているかもしれないという手紙の内容を王女に隠したが、その後もう一度ウンソのところに遊びにきた王女は、外出したウンソを待っている間手紙を発見して好奇心に勝つことができなくて結局これを読むことになった。そしてまもなく手紙が男から来た恋文ではないことを知った王女。王女は死んだものとばかり思った片思いのクァンヒョンが生きているかもしれないという手紙の内容に驚きに耐えなかった。これに対し王女はまもなく帰宅したウンソと向き合った後「これは本当か」と尋ねて涙を浮かべる。

クァンヒョンは今回は失敗しないと誓って外科治療を始める。しかしクァンヒョンの外科術を受けた病人は手術直後には好転症状を見せていたがすぐ四肢を震えて苦しがり破傷風で急に悪化する。クァンヒョンはコ・ジュマンを外科術後に破傷風で失ったから「破傷風だ。またしても破傷風だ」と話して茫然自失した...

放送日
○韓国MBCでの放送:2013/1/15
○衛生劇場での初回放送:2013/4/26
○NHK-プレミアムでの放送:2014/2/16

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