大監のすべての罪を問います必ずその場で...

クァンヒョンはヒョンウクが医術欲に目がくらんで麝香を用いて痘瘡にかかった淑徽{スッキ}王女の病状を懸癰{ヒョンオン}*1に悪化させたという事実を知った。クァンヒョンは外科術で王女を治療しようとしたヒョンウクを制止した後、ヒョンウクが王女を利用しようとしていたという情況が王室に知らされた。その後顯宗{ヒョンジョン}を訪ねて「懸癰は切除して治せるものではありません。切除せずに鍼で瀉血*2する方法があります。前にそのような手術をしたことがあります」と打ち明けた。顯宗が「なぜ今になって話すのか」と尋ねると、クァンヒョンはしばらくためらって「手術したのは人ではなく馬に鍼を打ったもので、使うのも人に打つ鍼ではなく馬用の鍼だからです」と答えた。続いて「あえて馬の鍼を王室の王女に。そちは狂ったのか」と激怒しているの顯宗に「これが唯一の方法です。これは命を救う鍼なのです」と述べた。しかし、顯宗はいくら実力があって頼もしいクァンヒョンでも自分の妹である王女の体の中に馬の鍼を入れることは容認することができずクァンヒョンの手術を許さなかった。
顯宗はクァンヒョンの提案に怒って大殿から追い出すが、クァンヒョンは大殿の前で顯宗に向かってひざまずいて涙ながらに土下座をして謝罪して「是非もう一度お聞き入れ下さい。王女様の容態をこれ以上遅らせることはできません」と懇願し、オ・ギュテも懸命に顯宗を説得する。結局顯宗は苦心の末にクァンヒョンの手術を許諾し、クァンヒョンはすぐに王女の居所に駆け付けて馬の鍼で死んだ血を抜き出して懸癰を治療した。クァンヒョンは王女の喉に位置した数多くのただれを除去したが、クァンヒョンができるのはそこまでで王女は自分の力で喉の奥にぎっしり溜まった瀉血を吐かなければならなかった。結局王女は瀉血を吐き出すのに成功し、顯宗は王女の前で嗚咽した。

ヒョンウクと共謀して血を乾くようにする薬剤である沈香、麝香をひそかに王女に使って、わざわざ王女の病状をより一層悪化させたミョンファン。このようなあくらつなミョンファンの計略を全部知ったクァンヒョンは、王女の病気を劇的に取り除くのに成功した後、直ちにミョンファンを訪ねて行って罪を問うた。だがクァンヒョンの鋭い追及にも一貫して知らない振りをする卑劣なミョンファンは「お話にならないことで私を脅迫するのか」としてクァンヒョンをにらむと、クァンヒョンは「大監がヒョンウクと王女様の居所に行ったことを見た人がいる」と手厳しい忠告を与えた。しかしミョンファンは厳しい忠告にも単に王女の容態を見るために居所に行ったことだけだと言い逃れ、怒ったクァンヒョンは「大監を必ずその座から引きずり下します。大監のすべての罪を問います」と厳重な警告を加えた。

一方、病状を悪化させて王女に手術をして名声を得ようという黒い計略を察知したクァンヒョンの制止によって王女の治療ができなくなったヒョンウクは怒りを隠すことができなかった。さらに、クァンヒョンは馬医だった頃に似た病気にかかった馬を治療した経験を思い出させて馬鍼で王女を生かすのに劇的に成功し、これに対しヒョンウクの計略は無惨にこなごなになったところ。これに対し舎巖{サアム}道人はヒョンウクを訪ねて行って「もう分かっているだろうか。これがお前とあいつが違う理由だ」と話し始めて、このことでヒョンウクが何か感じたところであるのを切実に望む心を表わした。また、過去に唯一の血縁である妹が脾積{ビジョク}*3にかかった当時、妹を生かすために何の罪もない人の腹を切ることもはばからなかったヒョンウクの残忍な過去を想い起こさせた舎巖道人。舎巖道人は「結局お前はお前の妹も、その者も殺した。お前の苦痛と絶望は分かる。だが、お前がそれで得たのが何だ。罪に対する代価を払え。いつでも人はやり直す機会がある。ぜひこの機会をのがすな」として誤った道を歩いていきつつあるヒョンウクの歩みを防ごうとこんこんと彼を説得した。だが、過去の記憶が浮び上がって苦痛な顔色をしたまま「やり直す?俺がなぜ?」と冷ややかに反問したヒョンウク。まもなくヒョンウクは「出て行ってくれ。俺の目の前から消えろ。直ちに出て行け」と大声を出して師匠舎巖道人の熱心な忠告を無視した。

クァンヒョンの警告にも関わらず、状況はかえって悪化してしまった。クァンヒョンを追い出そうと企んだミョンファンが大妃、チョン・ソンジョをはじめ、儒者たちまでも動かして王家に馬の鍼を使ったという理由でクァンヒョンを王室蔑視罪に追い込んだ。大妃は飲食を拒否してペク・グァンヒョンの罷免を要求した。ミョンファンはクァンヒョンに向かって「お前のような奴は結局ずっと負けるだろう。お前が医生の時のように」と皮肉った。だが、クァンヒョンは自分があの時のように必ず戻ってくることをきっぱりと答えた後、「そして私が戻ってきた時ここを追い出されなければならない人はまさに大監になるでしょう」という厳しい忠告をする。
重臣らの要求に対し顯宗は「功績を立てたペク医官に罪を問うということか?その治療を決めたのは余なのだ」として王女の命を救ったクァンヒョンを罷免しなければならない理由で苦悶に陥った。顯宗は仕方なくクァンヒョンを罷免した。その後クァンヒョンは誰にも消息を知らせず行方がわからなくなった。
ミョンファンは自分に疑いのまなざしを送る息子ソンハに向かって「これも死ぬべきだった奴が生き残ったためだ。死ぬべきだった奴が帰ってきたためだ。だからこれはあいつが死ぬか私が死ぬか、どちらかが死ぬまで続くのだ」と言い、「それでお前の選ぶ道はどっちだ?この父か?奴か?」と選択を強要した。

クァンヒョンの行方が分からない間、オ・ギュテが顯宗を訪ねてクァンヒョンの罷免について尋ねると「罷免はペク医官の頼みだった。余はいかなる場合でもその意思は曲げないつもりだったのだが、ペク医官が余を訪ねてきて頼んできた。すべきことがあると。そのことは医官服を着てすることができないから罷免させてくれと言ってきた。余もその理由を尋ねたが答えなかった。ただし、すぐに戻ってきた時にはあらゆる事を話すと言っていた」と打ち明けた。
顯宗にわざわざ罷免を要請したクァンヒョンは医官服をしばらく脱いで宮殿の外でこっそりとすべき仕事があった。それはミョンファンを押し倒す証拠を手に入れることだった。そして3日間潜伏していたクァンヒョンはソンハのところに一番最初に姿を表わすとソンハはすぐに困惑した。クァンヒョンはソンハに今までミョンファンが犯した悪行を打ち明けて「イ・ミョンファン大監に罰を受けるようにすることです。まさにこれによって」と話す...

放送日
○韓国MBCでの放送:2013/2/25
○衛生劇場での初回放送:2013/5/16
○NHK-プレミアムでの放送:2014/5/4

関連ページ

馬医第1話「消せない過去」 馬医第2話「いざ都へ」 馬医第3話「出会いと別れ」 馬医第4話「新しき人生」 馬医第5話「運命の再会」 馬医第6話「命懸けの試練」 馬医第7話「渦巻く妬み」 馬医第8話「ひとときの安らぎ」 馬医第9話「謎の疫病」 馬医第10話「信頼の芽生え」 馬医第11話「波紋を呼ぶ鍼(はり)」 馬医第12話「訪れた転機」 馬医第13話「面影を重ねて」 馬医第14話「絶体絶命」 馬医第15話「医師への第一歩」 馬医第16話「思わぬ告白」 馬医第17話「越えられぬ身分」 馬医第18話「診断の行方」 馬医第19話「窮地 再び」 馬医第20話「心の帆」 馬医第21話「切ない想(おも)い」 馬医第22話「仕組まれた罠(わな)」 馬医第23話「初の外科手術」 馬医第24話「蘇(よみがえ)る過去」 馬医第25話「恩師を襲う病魔」 馬医第26話「驚きの真実」 馬医第27話「果たされた約束」 馬医第28話「執拗(しつよう)な魔の手」 馬医第29話「恩人との再会」 馬医第30話「異国の地で」 馬医第31話「消せぬ恋心」 馬医第32話「意外な結末」 馬医第33話「治療の褒美」 馬医第34話「反撃の始まり」 馬医第35話「驚愕(きょうがく)の外科手術」 馬医第36話「明かされる素性」 馬医第37話「遺志を継いで」 馬医第38話「新たなる敵」 馬医第39話「治療の限界」 馬医第40話「王女の危機」 馬医第41話「忍び寄る陰謀」 馬医第42話「崩れ始めた威光」 馬医第43話「宿命の対決へ」 馬医第44話「非情な真実」 馬医第45話「覚悟の告白」 馬医第46話「父への想(おも)い」 馬医第47話「悲しき終焉(しゅうえん)」 馬医第48話「愛の行方」 馬医第49話「王の主治医」 馬医第50話(最終回)「そして新しき道へ」