15-115-215-3

大丈夫です....これしきのこと....何ともありません!

ミョンファンの指示を受けた下男たちに外へ出ることを制止されていたチニョンは、ソンハからチョンドゥがクァンヒョンに何か危害を加えたらしいと聞いて、下男たちに「この家の本当の主人は私だ」と強引に制止を振り払ってクァンヒョンの元へ走って行く。
クァンヒョンは試験時間の終了を知らせる銅鑼が鳴る寸前に高度の集中力を発揮して上穴の最後の1ヶ所に鍼を置くことに成功したが、直後に気絶してしまい恵民署{ヘミンソ}へ運ばれる。コ・ジュマンは大きく腫れ上がったクァンヒョンの右腕を診て「骨髄が切れて筋肉と血管が傷ついている。そのために出血と痛みが激しくなって気絶したのだ」と言って応急処置をする。クァンヒョンは気がついて駆けつけたチニョンに「医女様聞いた?俺はやり遂げた。合格した」と痛みをこらえながら喜んだ。腕に怪我をしたクァンヒョンを見て大粒の涙を流すチニョンにクァンヒョンは「なぜ泣くのか?すべてうまくいったのに...医女様なぜ泣くのか?」と逆にチニョンを慰める。
チニョンはコ・ジュマンにクァンヒョンの治療のためには三七根{サムチルグン}*1という薬剤が必要だと提案する。しかし三七根は清国からしか手に入らない薬剤で恵民署には置いていないため、チニョンが自ら国境近くの義州{ウィジュ}まで行って手に入れることになった。そのため淑徽{スッキ}王女は自分の標信{ピョシン}*2を渡して王室所有の船で素早く義州に行けるよう協力する。王女は「お願いするわチニョン。必ずあの者の腕を治しなさい」と言ってマ武官を護衛に付けてくれる。チニョンは三七根を義州のあちこちで探しまわってようやく手に入れて来た後、クァンヒョンの腕を治すのに全力を尽くす...

一方、武橋湯飯{ムギョタンパン}では"祝パク・デマン恵民署医生試験合格"と称してクッパが振舞われている。その中、店の客に挨拶をして回るイノクとテマン親子。イノクは「息子は上位の成績で合格しましたの」と触れ回るので、本当は下から2番目で合格したテマンは困った顔をするが、イノクはそんなこと分かっていると意に介さない。
チニョンはミョンファンが危害を加えるよう指示したのではないかと尋ねるが否定され、逆に二度とクァンヒョンに近づくなと念を押される。ソンハは自分の判断でクァンヒョンに危害を加えたというチョンドゥに二度と邪魔をしてはならないと釘を刺す。
馬医出身者が医生試験に合格したことに興味を持つ顯宗{ヒョンジョン}に対しコ・ジュマンは「彼はこの国で一番の鍼治療の持ち主になるでしょう」と話す。その後、恵民署で三七根のおかげで腕の腫れも引いて傷が治ってきたクァンヒョンに「よくなってきた。若いからか回復も早い」と感心するが、「腕だけじゃない。心も怪我をすることが多くなる。お前が進む道は今よりさらに険しいぞ。だがこれからが始まりだ。その度に今回のように立ち上がればいい」と笑って忠告をする。

クァンヒョンは自分に怪我を負わせたチョンドゥに会いに行くが、ちょうどチョンドゥは内医院{ネイウォン}のミョンファンのところにいた。ミョンファンとチョンドゥが一緒に建物から出てきたので驚くクァンヒョン。
クァンヒョンはミョンファンに「先日武官様が私に下さった警告に対する答えを言いに来ました」と言うと、代わりに聞いてやるというミョンファンに「賤しい奴は身分をわきまえろとおっしゃいますが、賤しいことは罪ではありません。罪なら賤民を見下す世の中にあります。賤しい奴も腹を満たし夢を叶えて人間らしく生きることがより良い世の中なのです」と自分の考えを伝え、「たとえ賤しい馬医でも人医になって、おこがましいですが賤しい奴でもできるということを必ずお見せ致します」と決意を見せる。
ミョンファンはクァンヒョンが去った後、自分が馬医出身であること隠して出世するために実父や家族などすべてのことをあきらめた過去を回想し、自分が生きてきた人生そのものを否定するクァンヒョンの決意に脅威を感じる。

夜遅く恵民署で一人で煎薬を煮詰めていたチニョンは突然野花一輪を持って現れた猿を見てびっくりする。それはクァンヒョンが司僕寺{サボクシ}から連れてきた猿だった。
猿から野花を貰ったチニョンにクァンヒョンは「久しぶりに司僕寺に行ったらみんなが歓迎してくれた。馬医に勇気を与えたと...これは皆医女様のおかげだ」と感謝の気持ちを表す。これに対してチニョンは「ごめんなさい。師匠として弟子を守ることができなくて」と詫びると、クァンヒョンは「心配いらない。腕はもう大丈夫だ。今後は医女様にいつでも会える。恵民署に入れば毎日医女様のお尻を追い回せる」と言って、さらに「かつて医女様は自分のことを両班でなく医女として見てほしいと言ったが、俺も同じだ。人々は俺を医生と見ずに馬医だと見下す。もし恵民署に入っても医女様も俺を無視したらどうなるか。誰が馬医である俺の面倒を見てくれるのか。だから弟子を見捨てずに最後まで責任をもって俺の面倒を見てくれ」とお願いする。
入学式の前日、クァンヒョンは父ソックが亡くなった場所へ向かい、墓の前で自分が医生になったことを報告する。

恵民署医生の入学式でコ・ジュマンは「お前たちが修練を通じて三医司{サミサ}を導く医官になる医生になることを信じている。ただ一人の落伍者もなく皆優秀な医員になることを信じている」と挨拶し、一人ひとりに合格書を渡す。クァンヒョンも合格書を受け取り医生になったことを実感する。それを嬉しそうに見守るチニョン。
一方、クァンヒョンのことを調べているインジュは、調査を手伝っている男と一緒にかつてクァンヒョンがいた牧場にやってくる。以前ここに来た覚えのあるインジュはその時牧場主からそんな奴はいないと言われたことを思い出す。男も牧場主の言うことと奴婢の登録簿が一致しており同姓同名の別人だと話し、インジュも間違いだったのかと肩を落とす。
王女は自分の婚姻を進めている大妃{テビ}と王妃を訪ね「私はまだ幼くて何も知らないので、裁縫や料理などを勉強して準備が整うまで婚姻を延ばしてほしい」とお願いする。その後、自分の居所に帰ってきた王女にカク尚宮は「王女様そんなにお嫁入りするのが嫌なのですか?」と尋ねると、王女は「誰がお嫁に行きたくないと言った?お嫁に行けるなら今日にでも行きたい。しかし私はその時を待っている。ペク馬医いやペク医生が医官になって実力を認められて御医{オウィ}になれば両班になるではないか。あの者が両班になれば私と結婚できる」と話してカク尚宮を衝撃に陥れる。さらに王女は「風邪でもひけばまたペク医生に診てもらえるのに...どこかで冷水摩擦でもしようか。風邪にかかるように...」とまで言ってカク尚宮に諌められる。

医生として初めての授業が行われるが、いきなり7分間で患者の問診をしろと指示されたクァンヒョンは今まで馬医として動物だけ治療してきたために患者を相手に問診をしたことがなく関係のないことばかり聞いてしまう。他の医生とは明らかに違うお粗末な問診書を書いて出したクァンヒョンは、すぐ医学教授のクォン・ソクチョルから10日間医女庁に行って基本から学んでこいと命じられ屈辱を受ける。
一方、科挙の大科に首席で合格したソンハは宮殿で顯宗に謁見し、三医司の医学習読官を志望したソンハがイ・ミョンファンの息子ですと紹介されると顯宗はそれで医学を勉強するのかと感心する。

初授業でクァンヒョンが医女庁に行かされたことをインジュから聞いたチニョンは前途多難なクァンヒョンを心配して医女庁へ様子を見に来るが、その心配は取越苦労に過ぎなかった。チニョンは他の医女らと談笑しているクァンヒョンを見て呆れてどこかへ行ってしまう。そして「本当に情けない。医女たちと"ハハ、ホホ"と楽しそうじゃない」と膨れていると、チニョンを追いかけてきたクァンヒョンは「腹を立てているのか?俺が他の医女様としゃべっているから嫉妬したんだ」と冷やかすので、チニョンが「嫉妬ですって?医女庁に追い出されて腹が立たないのか?気に障らないのか?こっちが心配しているのに...」と叱り飛ばした途端、真顔になったクァンヒョンは「かなり腹が立った。落胆した。俺は試験に合格して浮かれていた。でも今は何も知らないことに気づいた。まだ始まったばかりだ。だから俺は他の医女様たちに助けてもらおうかと笑いかけていた」と本心を打ち明ける。
インジュは心配してクァンヒョンの様子を見に恵民署へ来たキベに声をかける。キベが帰ろうとするとインジュはクァンヒョンのことで聞きたいことがあるのですがと尋ねる...

夜になっても恵民署の患者に真面目に問診をしていたクァンヒョンは教授のソクチョルに呼ばれる。ソクチョルはソンハが友人たちと酒を交わし談笑していたところに荷物を背負ったクァンヒョンと現れ、クァンヒョンに荷物を下ろすことを命じてソンハに「坊ちゃまが今度医学習読官になられるという話を聞きました」と荷物を渡そうとする。クァンヒョンが背負っていた荷物はソクチョルがソンハに捧げる賄賂だった。それを見たソンハは「そんなものはいらない。それにお前は医生を手足のように使うのか?」とソクチョルに怒ると、ソクチョルは「誤解されているようですがこの者は賤民です」と言い返すが、ソンハが「賤民である前に医生だ。この者は試験で医官も難しい鍼術を見せたと聞いたがこのようにむやみに扱って良いのか」と言ってソクチョルを当惑させる。
その後一人で家に向かっていたクァンヒョンは突然歩みを止めて「くそっ両班に加え男前で心根も真っ直ぐだし弁も立つ。存在自体だけでも腹が立つ」とソンハに劣等感を示す。その時後から追いかけてきたソンハの友人のソ・ドゥシクがクァンヒョンにちょっと来てくれと呼び止める...
恵民署から帰ってきたキベはクァンヒョンがまだ帰っていないことを知り、チャボンに「誰かがクァンヒョンの過去を調べている。恵民署の首医女様はあいつが子供の頃都にいたことを知っている。バレればあいつは殺される」と言って二人は不安に襲われる。

トゥシクの家へ呼ばれたクァンヒョンは、トゥシクの妹のウンソが病気で家に帰ってきているから診て欲しいと頼まれる。他の医官に診てもらえばとクァンヒョンは断るが、妹は若くして未亡人となりそれが噂になると忌み嫌われるため、医官に知られたくないから鍼術に長けているというお前に頼むのだと言うが、クァンヒョンは自分は馬医だったので鍼術ができるだけですと答えると、トゥシクは馬医と聞いて驚きがっくりと肩を落としてクァンヒョンに掴みかかろうとした時、下女の叫び声が聞こえる。
二人は慌てて駆けつけると、ウンソは白装束のまま首を吊って自決を試み気絶した状態だった。錯乱したトゥシクはちょうど一緒にいたクァンヒョンの首に刃をあてて妹を生かせと脅迫する...

放送日
○韓国MBCでの放送:2012/11/19
○衛生劇場での初回放送:2013/3/29
○NHK-プレミアムでの放送:2013/10/13

関連ページ

馬医第1話「消せない過去」 馬医第2話「いざ都へ」 馬医第3話「出会いと別れ」 馬医第4話「新しき人生」 馬医第5話「運命の再会」 馬医第6話「命懸けの試練」 馬医第7話「渦巻く妬み」 馬医第8話「ひとときの安らぎ」 馬医第9話「謎の疫病」 馬医第10話「信頼の芽生え」 馬医第11話「波紋を呼ぶ鍼(はり)」 馬医第12話「訪れた転機」 馬医第13話「面影を重ねて」 馬医第14話「絶体絶命」 馬医第15話「医師への第一歩」 馬医第16話「思わぬ告白」 馬医第17話「越えられぬ身分」 馬医第18話「診断の行方」 馬医第19話「窮地 再び」 馬医第20話「心の帆」 馬医第21話「切ない想(おも)い」 馬医第22話「仕組まれた罠(わな)」 馬医第23話「初の外科手術」 馬医第24話「蘇(よみがえ)る過去」 馬医第25話「恩師を襲う病魔」 馬医第26話「驚きの真実」 馬医第27話「果たされた約束」 馬医第28話「執拗(しつよう)な魔の手」 馬医第29話「恩人との再会」 馬医第30話「異国の地で」 馬医第31話「消せぬ恋心」 馬医第32話「意外な結末」 馬医第33話「治療の褒美」 馬医第34話「反撃の始まり」 馬医第35話「驚愕(きょうがく)の外科手術」 馬医第36話「明かされる素性」 馬医第37話「遺志を継いで」 馬医第38話「新たなる敵」 馬医第39話「治療の限界」 馬医第40話「王女の危機」 馬医第41話「忍び寄る陰謀」 馬医第42話「崩れ始めた威光」 馬医第43話「宿命の対決へ」 馬医第44話「非情な真実」 馬医第45話「覚悟の告白」 馬医第46話「父への想(おも)い」 馬医第47話「悲しき終焉(しゅうえん)」 馬医第48話「愛の行方」 馬医第49話「王の主治医」 馬医第50話(最終回)「そして新しき道へ」