だから諦めるのか?医員が病人を...!

淑徽{スッキ}王女は自分の状態を見に来たクァンヒョンに「ペク医官、私は痘瘡にかかったのか?そうなのだろう?」と自分が痘瘡に感染したことを直感した。王女の心配にクァンヒョンは「違います。王女様違います」と慰めるが、王女は「私は怖いペク医官。私はとても怖い」と涙を流す。だがクァンヒョンの願いとは裏腹に王女の体には赤い斑点が出始め、首医のミョンファンは顯宗{ヒョンジョン}に「王女様が痘瘡にかかられました」と慎重に診断を下した。
王女が宮殿の外で痘瘡にかかった患者を助けたことで痘瘡にかかって命が危険な状況だとを聞いて駆け付けたチニョンは意識を失ったまま横になっている王女を痛ましく見つめてクァンヒョンに「私に会いに宮殿の外に出てこられた。婚礼の服を贈りたいと。私たちの婚姻を必ず見たいと。私のせいなの」と話して涙を流した。もし王女が宮殿の中にいれば痘瘡患者と接触することもなかったという考えに余計な自責をする。

恵民署{ヘミンソ}ではヒョンウクが「こいつはもう駄目だ。あちらに片付けろ」と痘瘡患者の治療を引き止めるとクァンヒョンは「何をするのだ?まだ病者の息が残っている。最後まで治療しなければならない」と問い詰める。クァンヒョンの主張にヒョンウクは「いつまで?死ぬまで?これ以上何ができる?」と自分の意見を打ち明け、クァンヒョンは「だから病人を諦めるのか?医員が病人を?」と言いながら信じられないという反応を見せた。引き続きヒョンウクは「乞食でも王女でも結局やむを得ずこのように病める病気、それが痘瘡だ。よっぽどでなければ痘瘡は痘瘡ではないか?」と大口をたたいた。また「あっそうだ王女様に痘瘡かかったと。聞けばお前とは格別の間柄だったから胸が痛むだろう。頼もしい後ろ盾が一つ切れるから...」と皮肉るとクァンヒョンは彼の胸ぐらを取った。たちところにクァンヒョンはヒョンウクに「黙れ。お前が医員だと?病者の前でそんなことをしゃべるお前が医員だと?」と言いながら火のように怒った。

クァンヒョンは昼夜問わず痘瘡にかかった王女の治療のために努めたが方法を分からず悩んでいた。ますます病状が悪化する王女を見たクァンヒョンやはり王女が自分を誠心誠意に大事にしてくれた過ぎた日を思い出させて目がしらを赤らめた。また「何もできることがないのか」と痘瘡を防げる確実な処方を探せなかったことに対して苦しむ。
このような中、舎巖{サアム}道人から痘瘡で恵民署にいた初診の病人が重症から好転に転じたという知らせを聞く。それはテマンが王女が連れてきた最初の痘瘡発症者に下した処方であった。テマンは最初痘瘡発症者の病名を把握できないまま、単純に熱を下げるための薬剤のみを処方した。ところが、偶然にもこの最初病人の状態が好転した。クァンヒョンは病人が長い間飢饉により健康が悪化した状態だからきつい痘瘡の治療薬剤に耐えられず致死率が高くなることを悟り、以後クァンヒョンは根本治療策がない痘瘡の多様な症状の中でまず熱を下げることが急務であることを知る。次に熱を下げるのに使う薬剤の量が不足していたが、これは舎巖道人が葛の根、クコの実、山茱萸など比較的容易に入手できるもので薬剤を代替することを提案する。そして薬剤を求めて通う人手不足であった。ここは病人の人家族と都城内の民が出て解決された。これらは恵民署の医員らから速成で必要な薬剤に対する教育を受けて直ちに薬剤を求めて歩いた。自分たちの家族、友人、近所の人の病気を治すために足を伸ばした。この他ソンハやトゥシクの薬剤の調達、キベ、チャボン、オ・ジャンパクを始めウンソの下人などが人手に加わった。まるで天がクァンヒョンを助けているかのように見えた。ついに痘瘡の病人の状態が好転し始めた。お手上げだった痘瘡が、その勢いを破ったのだ。痘瘡をとるために邁進したクァンヒョンと恵民署の人々は満面の笑みを浮かべた。

一方顯宗{ヒョンジョン}が病気や喪中だと言い訳して宮殿に現れないチョン・ソンジョら重臣に怒りが収まらなかった。
クァンヒョンは王女を救うために新しく発見した治療法を試みたが、かえって王女の病状はより一層悪化した。すでに王女の病状は懸癰{ヒョンオン}*1のため口蓋垂が腫れて呼吸さえ困難な状況に至り外科術がなければ、治療が不可能な状況にまで至ってしまう。このように水一杯飲むことができず、息さえできない王女の姿にクァンヒョンは何もできない自分を責めた。この時ヒョンウクが外科術で王女を手術できると自信満々に現れた。舎巖道人にヒョンウクが行うことになる手術の危険性について聞いていたクァンヒョンはヒョンウクを訪ねて行ったが、ヒョンウクは自分が"治腫指南"を持っているといってクァンヒョンをあざ笑った。結局彼は王女を生かすためにヒョンウクに任せるほかはなかった。だが王女の病状が悪化した背景にはヒョンウクの陰謀が隠れていた。クァンヒョンが思ったより多方面に長けた医員だと知ったヒョンウクがミョンファンに「痘瘡を治すことはできなくても、もっと悪化させる方法を私はいくつか知っている。またそれを再び戻す方法も知っている。やきもきする必要はない」と結託を提案した。二人は王女の病状をわざわざ悪化させてクァンヒョンを挫折させた後、自分たちがその機会をつかむという計略を企てる。

ソンハはトゥシクからヒョンウクが王女の外科術治療をするということを聞かされる。かつて様々な医書を読み漁ったソンハが思うところ敏感な咽喉に刃物を入れるのは人の体を隅々まで知っていなければ不可能なことだと話し、トゥシクは解剖されたまま流されてきた遺体を思い出した。ヒョンウクは過去自身の医術を整えるという名目で死体の五臓六腑を暴いて川に出して捨てた。ソンハとトゥシクは当時この事件の犯人をつかめていなかった。ソンハはまたトゥシクの疑いに同調する表情を浮かべる。

ミョンファンの支援を受けたヒョンウクは王女の居所に行き、麝香*2を塗って王女の病状をより一層重くさせていた。ヒョンウクがこっそり王女の部屋に持ち込んだ麝香をカヨンが発見した。カヨンより麝香について話を聞いたクァンヒョンは「まさか...じゃああいつがわざと」と怒りに充ちて王女の居所に走って行った。ヒョンウクが外科術実験のために王女を利用しようとしているということを見ぬいたのだ。そしてヒョンウクが王女の口の中に小刀を入れようとした瞬間、走って入って来てヒョンウクの胸ぐらをつかんでクァンヒョンは「お前のような奴に王女様を任せることにはできない。だから直ちにここから出て行け」と怒りをぶちまける...

放送日
○韓国MBCでの放送:2013/2/19
○衛生劇場での初回放送:2013/5/16
○NHK-プレミアムでの放送:2014/4/27

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