お前が...お前が何故それを知った?

大妃は顯宗{ヒョンジョン}にヒョンウクに世子{セジャ}の腫気の治療を任せるようと主張した。しかし、顯宗は世子の治療を引き受けたペク医官ではなく、新しい医員を任せることに反対して大妃と対立する。大妃はペク医官の過去を思い出させて「ペク医官はコ・ジュマン大監を死なせた。その時も後遺症を治療できなかった」と言って、クァンヒョンの実力に疑問を示した。大妃の言葉に顯宗は「それでも私家の医員に世子を任せることはない。何よりも私はペク医官を信じています」と言ってペク医官に無限の信頼を表わした。
クァンヒョンは自分の外科術を受けた世子が胸を苦しがるということと同時に高熱が出始めながら危機に直面した。高熱は走黄*1の前兆症状のため。苦心したクァンヒョンは自分が開発しておいた薬剤を使おうとしたが、医女が準備した材料を見回したクァンヒョンは蟾酥{ソムス}*2は殺虫のために必ず必要な薬剤だが毒性が含まれており幼い世子の体でどのような反応が出てくるのか予測することはできず、かえって世子の健康を害する可能性があるため迷っていた。クァンヒョンは「殺虫のためには必ずなければならないが...」と代わりになるものを模索する。そうしていると火鉢にみな燃えて残った灰を発見して突然「灰粉...そうだこれならば..」とクァンヒョンは灰粉を触ってみて会心の笑みを浮かべる。
その時、ヒョンウクがミョンファンを利用して大妃の心を得て世子を診察するために東宮殿に入ってきた。この事実を知ったクァンヒョンは直ちに東宮殿の前に走って行ってミョンファンを背に負って現れたヒョンウクを制止して立って怒った。ヒョンウクはそのようなクァンヒョンをおかしな目つきで見つめて「お前は下がっているがいい。病人を生かすことができるのは俺だ」と話した。ヒョンウクはクァンヒョンが世子の走黄を防ぐ方法を見つけることができないだろうと豪語した。ヒョンウクは「今までお前が考えだした黄獷肉{ファンガンユク}と白芨を使った治療には正直驚いた。その程度まで探し出すとは思わなかったよ。だが明らかに湯材で詰まっているだろう。結局お前は最後の治療法まで調べられなかった。違うか?だから下がれ。今からここは俺が治療をするのでお前は見物しながら餅でも食べていろ」と皮肉を言った。これに対しクァンヒョンは最後の治療として考え出した処方は千金漏蘆湯{チョングムヌロタン}でそれに使う薬剤をヒョンウクに明らかにした。ヒョンウクの予想に反してクァンヒョンは自分だけの方法で最後の処方箋として蟾酥の代わりに蟾灰{ソムフェ}*3を使うことを思いついていた。ヒョンウクは自分が考えていた治療方法と一致すると「それをお前が何故それを知った」と仰天した(その方法は「治腫指南」にしか載っていないため)。
クァンヒョンがヒョンウクと押し問答を繰り広げていると顯宗が現れ、二人のどちらかの医員に最後の治療を任せるのか悩むが、結局顯宗はクァンヒョンに最後の治療を任せた。クァンヒョンは時間を惜しんでヒョンウクが持ってきた煎薬を利用して世子を治療した。時間が経った後世子は走黄の症状を見せず、完治されていく姿を見せた。クァンヒョンはやっと安心して顯宗に世子の完治事実を知らせた。

ヒョンウクはクァンヒョンの驚くべき医術の実力を知ると「俺が本当に倒さなければならない奴は、舎巖{サアム}ではなくペク・グァンヒョンまさにお前だ」とクァンヒョンに向けた刃を立て始めた。

クァンヒョンを各自心に抱いたウンソと王女はクァンヒョンをチニョンと婚姻させることでクァンヒョンに対する愛に終止符を打つことに決めた。これに対し二人はチニョンとクァンヒョンの婚礼を押しつけた。チニョンを連れて絹屋に立ち寄った王女とウンソは「これがより良いか?これも大丈夫で」と多様な服地を比べてみてクァンヒョンとの婚姻の話を切り出し、婚礼のときに着る服地を選べと催促した。王女は慌てて拒むチニョンに「この子、今の年齢を考えてみよ。今行っても老産だ」として「高齢で初産ならそれは大変だ。私はそれが一番心配だ。良い産婆もあらかじめ知っておかなければならない」と大げさに騒いだ。「それではペク医官と婚姻をしないのか」という二人の質問に対しチニョンは「二人ともどうしてそんなに先に進めるのか」と顔を赤らめた。
チニョンはこれに対し逃げるように店を抜け出したが、「本当にいきなりなんなの。婚姻とは」とつぶやいたチニョンの顔は、いつのまにか自分も知らないうちに赤みがかって染まった。恵民署に戻って熱くなった頬の熱を冷まそうと手であおっていたチニョンは、ちょうどクァンヒョンが入ってくるとすぐに自分も知らないうちにその場でむくっと起きてあたふたする。クァンヒョンはこれに対しチニョンを向かって「どこか具合が悪いの?顔がうす赤いけど?ちょうど熱があるのと同じようだけど?」として心配を隠すことができなかったが、大丈夫だと自分の目を避けるチニョンの姿に即座に茶目っ気が見せる。クァンヒョンは「見てみよう~痛いわけでもなく暑いわけでもないのに顔が赤くなった。どうしてかな?俺のこと考えてたかな?」としらじらしくチニョンをからかいまくった。するとますますやや赤くなるチニョンの頬。クァンヒョンは「本当みたいだけど?」としてより一層くるくる笑いを笑った。これに対し結局チニョンは「大声を出すわよ!」としてクァンヒョンを避けて急いでその場を離れようとしたが、クァンヒョンはチニョンの後を引き続き付きまとって「いや、人の顔はどうしてこんなに赤くなるのかな?」と引き続き意地悪にからかいまくる。一方このようなチニョンとクァンヒョンの和気あいあいとした姿を目撃したソンハは、暗い表情を隠すことができなくてチニョンとクァンヒョンの婚礼をどのようにしてでも止めようとする姿を見せる。
ソンハは親友のトゥシクから王女がクァンヒョンとチニョンの婚姻を推進していると聞いて驚く。ソンハはウンソを訪ねて行って王女の行動を止めることをお願いする。ウンソの反発にソンハは「これが賤民と両班のことだからです。それなら何が起きるのか若奥様もご存知でしょう。賤民と両班との婚礼は国法で禁じられています。わずか何年か前にもそのような事実が発覚して賤民が斬首に処された事実をご存知ないのですか。これ以上チニョンを消しかけないで下さい」といってウンソの話を一蹴した。
※対外的にはクァンヒョンは賤民だったが官職についたことで良人になり、チニョンは両班であるが、本当はクァンヒョンが両班で、チニョンは賤民の身分である。現在クァンヒョンの出生の秘密を知っている人物はインジュとミョンファン、クァンヒョンとソンハだけ。

王女はその後も宮廷の外でクァンヒョンとチニョンの婚礼のための買い物を続けていたが、不意に病気の乞食に腕を掴まれ、恵民署{ヘミンソ}に連れて行くと痘瘡にかかっていた。

医女に向かって指示を与えたソクチョルは、どうしたことか医女がしきりに自分を眺めて笑いをこらえることができないことに心境が穏やかでなかった。だがこのようなソクチョルとは違い医女は「こういうのをなぜ私どもに頼むのですか?カヨンがいるでしょう。そういえばカヨンはあっちへ行ったので、私が呼びましょうか?」と意味深長な笑いを止めなかった。これに対し理由が分からないソクチョルは「なんだ。お前たちなぜそうするのだ!」とかっと怒ったが、医女はげらげら笑ってソクチョルを避けて逃げたし、結局ソクチョルはハアハアと息をして直ちにカヨンを探しに出た。事実医女は先にソクチョルが自分のことが好きだというカヨンの話を聞いていた。カヨンはクァンヒョンによく見えるために自分に意図的に接近したソクチョルの姿を、自分のことが好きでそうしていると勘違いしていたところだ。これに対し楽しく噂を立てた張本人であるカヨンは、ソクチョルが髪の毛の先まで怒って自分自身を訪ねてくるとは夢にも知らずにテジュに向かって「好きな程度でなく一緒に住もうという雰囲気だったか?だから今ものすごく悩んでいる。あの教授は私の好みじゃない。私はすでに彫刻に...」として楽しく話をしていた。ところで暫くして聞こえてくるソクチョルの気が重い怒り声。錯覚に陥ったカヨンは「またきた。私を探してるようだ。私はいないといって。私は高嶺の花だからあきらめろといって」と頼みこんであわてて体を隠し、結局一歩遅れて到着したソクチョルは「なぜ私がこうせねばならぬのだ!」と怒りを隠せなかった。ところでこれに対し「教授様。こう言ったら困らないですか?医女と戯れてます」としてソクチョルに向かって強い不満を吐露するテジュ。このようなテジュの非難にソクチョルは「戯れる?私が?私は正気だ!」として当惑感を隠すことができなかった。

結局、ヒョンウクはミョンファンの推挙を受けて恵民署に入ることになった。これを聞いた舎巖道人はクァンヒョンに「あいつが手に持ったのは鍼でなく剣だ。その剣が向かう先はまさにお前だろう」と忠告する。恵民署に入ってきたヒョンウクは死んだコ・ジュマンの執務室であれこれ道具を触っているとクァンヒョンと出くわす。ヒョンウクは「結構冷静だな。既に舎巖に俺の話を聞いたはずだが...俺がなぜあえてここを選んできたのかも分かっただろう」と話した。クァンヒョンは「それが俺が恐れをなさなければならない理由になるのか?あなたが何もできないことはない人だというのは聞きました。だがここ恵民署ではそう勝手にできないでしょう。そうできないように俺が阻止するから...」と反撃した。これに対しヒョンウクはクァンヒョンをあざ笑い「じゃあ賭けでもするか?お前が俺を阻止するか、それともお前が俺と同じになるか?コ・ジュマンが死んだのはお前のせいだと?お前のような奴はよく知っている。愛着も未練も捨て切れず愚かなことを。馬医になったのも人医になったのもそのためだろう。哀れなものが死んでいくのに何でもしたかったんだろう」と述べた。続いて「コ・ジュマンが死んだ時の心情はどうだった?そんなことはもうないと思っているのか?大切な人がお前の目の前で死んでいくことを見ることになることを。お前の目の前で俺が自信満々に言う時になってお前は気が狂うんだ。コ・ジュマンの時とはまた違う。もう知っているようだが治療できない病気があるということを分かると、その時になればベク・クァンヒョンお前なら何でもしたくなるだろう。俺のように。何でもするのだ」と言い放つ。

武橋湯飯{ムギョタンパン}の従業員のマルボクが痘瘡にかかりキベが恵民署に連れてくる。恵民署にいる痘瘡の患者は瞬く間に50人となり、患者の出た都や村は封鎖され、重臣のパク・ジュビョンでさえ外に出ることができなくなる。
王女が連れてきた乞食を治療した医官が痘瘡にかかったと知ってすぐにクァンヒョンは王女の居所に駆け付けた。王女は部屋に走って入ってきたクァンヒョンに「おかしい。私の体がとてもおかしい...」と話してクァンヒョンの懐の中で倒れて意識を失う...

放送日
○韓国MBCでの放送:2013/2/18
○衛生劇場での初回放送:2013/5/10
○NHK-プレミアムでの放送:2014/4/20

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